常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

forgoとgive up

DY(05/12/11付け)から英語表現を拾います。本日読んだ記事の内容は,首相は6月から原発事故が落ち着くまで,歳費を返上するということが述べられていました。今回は「返上する」に焦点を当てます。以下はその記事の表題です。

Kan to forgo PM salary until N-crisis under control

今回注目するのはforgoです。リードにもあるように「返上する」という意味であることが予想されます。辞書によると,forgoは「<楽しみなど>を差し控え…なしで済ませる;割愛する,やめる」とありました(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)。したがって上記の文は,「菅首相は,原発事故が収束するめどがつくまで,歳費を返上する」となります。

また,『スーパー・アンカー和英辞典』(第2版,学習研究社)によると,「返上する」でgive upとありました。CNN online(05/10/11付け)の記事ではこのgive upを用いており,かつ似た内容のものがありました。以下はその記事から表題を引用します。

Japan's Prime Minister to give up salary

http://edition.cnn.com/2011/WORLD/asiapcf/05/10/japan.nuclear/index.html?iref=allsearch

ここではgive upについて調べます。give upはカタカナ語にもなっているように,「あきらめる,やめる;降参する」の意味で認識していました(『ジーニアス英和辞典』同上)。そこでLDOCEでgive upの定義を調べてみると,to stop doing something, especially something that you do regularlyとありました。この記事の場合especially something that you do regularlyは「歳費を受け取ること」ですよね。したがって,「歳費を受け取ることをやめる(歳費を返上する)」と訳せます。ただ「やめる」のではなく,「(習慣となっていることを)やめる」という時にもgive upが使えることがわかりました。

新聞を読んでいると,様々な表現に出会います。ひとつひとつの単語を地道に覚えるより,関連付けて覚えたほうがやはり効率がよいですね。できるだけ早く原発事故が収束するめどが立つことを願います。(ゼミ生 Lbow-Shoulder)