常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

left-field

4月23日より公開された深田晃司監督の映画「歓待」についての記事から英語表現を拾います。以下はJT Online (04/29/11付け)の記事の見出しです。

Left-field family drama lifted by a little foreign spirit

http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/ff20110429a1.html

今回注目したのはleft-fieldです。left-fieldと聞くと野球での「左翼」「レフト」を思い浮かべましたが,ここではその意味が当てはまりません(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)。辞書を引いてみるとleft-fieldで「主流からはずれた」「一風変わった」「型破りな電子音楽の」とありました。他にも,left fieldには「変わった意見,立場」とあり,be out in left field「完全に間違っている,普通ではない」という表現もありました(『ジーニアス英和辞典』同上)。「歓待」は一見平凡な家族が流れ者の来訪によって変化を余儀なくしていく人間模様を描いた作品です。次第に崩壊していく,つぎはぎだらけの家族模様をleft-field familyで表していると解釈できます。

この映画は東京国際映画祭では「日本映画・ある視点」部門の作品賞に選ばれ,海外の映画祭でも話題になった作品です。機会があれば見に行きたいと思いました。(ゼミ生 カメ女)