常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

manslaughter

2009年6月に亡くなったキング・オブ・ポップことマイケル・ジャクソンさん。今回の記事はマイケルさんの死に何らかの関係があるとされる医師の裁判の内容でした。以下は,Yahoo!News(4/29/11付け)の記事からの一部引用です。

Delay sought in trial of Michael Jackson's doctorLOS ANGELES (Reuters) - Defense attorneys on Friday asked for a delay in the manslaughter trial of Michael Jackson's doctor, saying they needed more time to review new reports from prosecution witnesses.

http://ca.m.yahoo.com/w/ynews/article/topstories/5?url=http%3A%2F%2Fca.rd.yahoo.com%2Fdailynews%2Frss%2Fmobile_topstories_fp%2F%2A%2Ahttp%3A%2F%2Fca.rss.news.yahoo.com%2Frss%2Freuters%2F110429%2Fentertainment%2Fcentertainment_us_michaeljackson&.ts=1304261349&.lang=enca&.tsrc=yahoo&.intl=ca

注目する,manslaughterです。文脈から判断すると「殺人」のような言葉が入ることが予想されます。辞書をみると「殺人,故殺罪」とありました(『ジーニアス英和辞典』第3版,大修館書店)。しかし殺人と聞くと,murderやkillを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。そこで今回はmurderとmanslaughterの違いを説明します。

両者の違いは殺人に計画性があるかどうかです。和英辞典で「殺人」と調べると「〔謀殺〕murder,〔故殺〕manslaughter」とありました(『新和英大辞典』電子補強版,研究社)。謀殺は「殺害の手段・方法をあらかじめ計画・考慮して人を殺すこと」,故殺は,「過失ではなく,一時の激情によって生じた殺意で人を殺すこと」とありました(『広辞苑』第6版,岩波書店)。以上のことから考えると,マイケル・ジャクソンさんの専属医師は一時の激情によって生じた殺意で人を殺した罪に問われていると考えることができます。(ゼミ生 Temple)