常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

ご指名質問fight 解答

大変遅くなりましたが,ご指名質問“fightの違和感”について答えさせていただきます。
今回のキャッチコピーで違和感を与える点は日本語の「ファイト」と英語のfightの意味を混同して使っているところにあります。日本人は応援するときや何か頑張って欲しい時,「ファイト」という言葉を使いますが,英語のfightはどうでしょうか。LDOCEでfightの語義を調べてみると,
fight: v : to take part in a war or battle /
n : a situation which two people or groups hit, push etc each other.
のように記されています。ついでに英和辞書でも確認してみると「〈人・国家などが〉〔…と〕戦う,戦闘する;(人などが)〈敵・病気・貧困・弾圧・不正・差別など〉と戦う」とありました(『ジー二アス英和辞典』第4版,大修館書店)。こうしてfightの意味を再度確認してみると,日本語の「頑張れ」という応援のニュアンスは含まれていないことに気がつきます。今回の例のように,もともとは英語からきたカタカナ語でも,英語本来の意味とは違うもの があります。英語を話したり,書いたりするときは1語1語注意していきたいと思います。(ゼミ生 桑田)