常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

Time has behaving in a more peculiar fashion

今回は『ハリーポッターと炎のゴブレット』から興味深い英語表現を見つけたので,ご紹介します。
ハリーは,参加したくもないのにTriwizard Tournamentに参加することになり,親友ロンを含め周りから変な目で見られるようになりました。その時にハリーはどれだけ苦しかったのでしょう。原作では以下のようにハリーの心情が表現されていました。
Time was behaving in a more peculiar fashion than ever..
ここで注目するのがtimeの動詞にbehaveが使われているということです。behaveは「振る舞う」という意味であることは,みなさんご承知の通りですが,主語に人以外のものを取ることは可能なのでしょうか。『オーレックス英和辞典』(旺文社)を引いてみると,「(機械などが)動く,作動する」や「(物質などが)反応する」という意味は載っていました。しかし,両者の訳をも見ても上記の英文にはしっくりきません。ここで文脈に沿って和訳してみると,「(ハリーにとって)今まで以上に残酷に時は過ぎた」のように解釈してみました。
田邉先生が以前「辞書の日本語訳はあくまでも訳。文章中の単語の本質をとらえるのには,自分の知識のすべてを総動員しなければならないよ」とおっしゃっていました。今回の例は,いつもより自分の知識を総動員して英文に当たってみました。(ゼミ生 persimmon柿生)