常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

cum

Japan Time OnlineにあったGerman braumeister puts Otaru brewery on mapという記事から英語表現を拾っていきます。
After graduating he worked as an engineer-cum-troubleshooter for United Distillers, one of Scotland's biggest whisky producers.
http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/fl20110122a1.html
今回採り上げるのは太字engineer-cum-troubleshooterのcumです。このcumはもともとラテン語でwithを意味するcumに由来する単語で,辞書にはcumで「…と共に, …つき, …兼…」とありました(『プログレッシブ英和中辞典』小学館)。また,同辞書には例としてa veranda cum view(ながめのいいベランダ)やa bedroom-cum-study(寝室兼書斎)が挙げられています。そして,イギリスでは合併教区の名称にもしばし用いられます(『リーダーズ英和辞典』第2版,研究社)。
上記の他に,このラテン語を用いた表現で押さえておきたいのが,cum laude,magna cum laude,summa cum laudeの3つ。どれも学業における成績を示す表現です。それぞれの意味は以下のようになります(『プログレッシブ英和中辞典』同上)。
・cum laude「優等で. ▼ふつう大学卒業生の大半がこの名誉にあずかる」
・magna cum laude「優等で(with great praise):大学の成績が3段階の優等中第2段階で」
・summa cum laude「最優等で:成績最上位で卒業する(5-30%程度の)学生の卒業証書に記される言葉」
ラテン語のlaude,magna,summaはそれぞれpraise(『プログレッシブ英和中辞典』同上),great(『プログレッシブ英和中辞典』同上),top(『リーダーズ英和辞典』同上)を意味します。
ちなみに,今回とは全く関係ありませんが,cumにはcomeから派生した別の意味もあり,こちらはcamelくんが専門です。(院生 小山本)