常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

draw a bead on〜

Lbow-Shoulderです。本日はDY(01/17/11付け)より英語の落ち穂拾いをします。DYの紙面には「三十三間堂の通し矢」についての記事がありました。その表題が以下のものです。

Drawing a bead on the New Year
弓道に関する記事で,しかもdrawときたらa bowだろうと思ったのですが,今回はa bead「(銃の)照星」のようです(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)。辞書を引いてみると,draw[get] a bead onで「<標的など>を(銃で)ねらう;<人に>狙いをつける」とあります(『ジーニアス英和辞典』同上)。では,表題はどのように訳せばよいのでしょうか。直訳すると,「新年に狙いを定める」となります。そもそも三十三間堂の通し矢とは,いわゆる「弓の引き始め」の行事です。したがって,「新年によく狙うこと」すなわち「引初め」と訳すとよいのではないでしょうか。通し矢は普段引いている距離の3倍の遠い距離にある的を狙います。drawing a bead onからはよく狙っている感じが伝わります。またdrawを使うことで弓を意識していることもわかります。
昨年自分も参加したこの三十三間堂の通し矢は幼少期から見てきた夢の舞台でした。おそらく,通し矢を見続けてきた憧れが自分を弓道へと駆り立てる動機となったのでしょう。新成人以外では上段者(段位が高い人)も通し矢に出場できます。再び通し矢出場へ狙いを定めて稽古を続けていきます。(ゼミ生 Lbow-Shoulder)