常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

brave

寒がりな私にとって冬はつらい季節です。英字新聞を見ていると,ある表現がこの時期によく使われていることに気づきました。それはbraveを用いたものです。
まず,The Japan Times ONLINE(2010年12月26日付)にあった,西武有楽町の閉店を伝える記事を見てみましょう。以下一部引用です。
Around 800 people braved the winter cold to line up in front of the Sogo & Seibu Co. store in Tokyo's Yurakucho district near Ginza before it opened for business a final time.
http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/nn20101226a4.html
次に,同紙の,日本各地での降雪を伝える記事(2010年12月17日付)のcaptionを見ます。
Snow big deal: People brave the season's first snow outside JR Hakata Station in the city of Fukuoka on Thursday.
http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/nn20101217a6.html
ここではbraveとその直後に続く「天候」に注目です。訳はそれぞれ「冬の(厳しい)寒さをものともせず約800人もの行列」,「初雪をものともせず」となりますが,辞書でも確認してみましょう。『新英和中辞典』(第5版,研究社)には「〈危険・死に〉勇敢に立ち向かう;〈…を〉ものともしない:He braved the king's anger.(彼は王の怒りをものともしなかった)」とありました。この辞書には用例の一つである「厳しい天候に立ち向かう」というものの例文が載っていませんでしたが,このように英字新聞を読むことでbraveという表現の活用の幅を広げることができました。
また,寒さや雪だけでなく,同様に厳しい暑さなどに対してもbraveが使えます。実際に,以前田邉先生が掲載して下さった記事の中に用いられていました。
cf.http://d.hatena.ne.jp/A30/20100916/1284610889
冷え対策をするなどして,私もなんとかbrave the winter coldをしたいと思います。(ゼミ生 pear