常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

craft

The Japan Times ONLINE(2010年12月19日付)に,世界で一番硬い人工ダイヤの合成の成功を伝える記事がありました。

World's hardest diamond craftedMATSUYAMA, Ehime Pref. (Kyodo) A research team led by Ehime University scientists has successfully synthesized what is believed to be the world's hardest artificial diamond, a professor from the university said Saturday.
http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/nn20101219a9.html
今回採り上げる表現はcraftです。おおまかな意味はもちろん「作る」ですが,その語の持つ細かなニュアンスをつかみたいと思います。
まず『ジーニアス英和辞典』(第3版,大修館書店)を見ると「〈物・製品〉を精巧に[念入りに]作る」とあり,さらに「力・熟練」が本義であることもわかりました。
次に 『OXFORD現代英英辞典』(第6版,Oxford University Press)を調べると以下のように説明がされていました。
verb [usually passive] to make sth using special skills, especially with your hands
この両方を見てわかるように,「巧みさ」が強く反映された語であるのですね。ダイヤモンドの合成という難題に成功したことをふまえますと,ここにcraftが用いられることがとてもしっくりくると思います。
余談ですが,「巧みさ」という観点においては英辞朗on the WEBに,craft a presentation「プレゼンテーションの準備をする[整える]」,craft a new idea「新しい考え[発想・アイデア]を創出する」という表現があったのでこれも押さえておきましょう。(ゼミ生 pear