常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

山岸勝榮先生による講演 感想(persimmon柿生編)

小山本先輩と同じように,私persimmon柿生も明治学院大学英文学科主催のプログラムに参加し,山岸勝榮先生(明海大学国語学英米語学科 教授)の講演を拝聴してきました。
山岸先生は約1時間の講演において以下の項目に分け,お話をしてくださいました。
1. 現場の教員について
2. 現在の生徒・学生について
3. 教師必須の辞書活用指導力について
4. まとめ
今回は,1・2に焦点を当て,ご報告させていただきます。
山岸先生は,最近の現場では辞書指導が十分になされていない事に危機感を抱いておりました。そこで問題視されていたのは,現場の先生方の辞書に関する知識についてです。まず,先生自身が紙の辞書をあまり使われません。もし,指導しなければならない先生自身が辞書を使わなかったら,どうでしょうか。生徒への指導はもちろん難しいものとなります。さらに活用法を教えることも困難でしょう。
中学校・高校時代に適切な辞書指導を受けることの出来る幸せな生徒は,ごく少数です。現場では,紙辞書の使用法が分からない,語の基本義を知らない,「1語1義的」な覚え方が主流である,訳語・訳文ができないという問題が後を絶ちません。これは十分な辞書指導がなされていないことが影響しているのではないかというのが,山岸先生のご見解でした。
紙辞書には,電子辞書にはない小宇宙が広がっています。確かに,持ち運ぶ際に重いという事実があるのは物理上どうしようもないことです。しかし,その重さが自分の知識となり,将来返ってくると考えると心地よく感じられませんか。教壇に立つときには,辞書を通して英語の面白さを多くの生徒に伝えていきたいです。そのために,日々精進していこうと改めて身を引き締めた今日の講演会でした。(ゼミ生 persimmon柿生)