常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

Paper tiger

DY(11/11/10)のBUSINESS FOCUSから英語表現を拾います。記事はインドでもっとも貧しい地域であるBiharの現状を述べています。以下は記事の見出しです。
Paper tiger
There is more talk about reform than action in India’s poorest state
今回注目する表現は見出しのPaper tigerです。直訳しても意味がよくわからないので辞書を引いてみると「張り子の虎,こけおどし《◆毛沢東が初めて使ったとされる》」とでていました(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)。念のため「こけおどし」を国語辞書で調べてみますと「見せかけは大げさだが中身が伴わないこと。こけおどかし。」と記されていました(『明鏡国語辞典』大修館書店)。したがって,見出しの下にある文を含めて内容を察すると,改革への議論は活発に行われていますが,なかなか結果や行動にあらわれていないBiharの苦しい状況がこのpaper tigerという一語に凝縮されていると考えられます。
的確に記事の内容を一語にまとめあげる記者の語彙選択(word choice)の力に改めて感服しました。(ゼミ生 camel)