常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

jaw dropping

本日のDY(11/09/10付け)のスポーツ欄から英語の落ち穂を拾います。記事はNFLチームのミネソタバイキング(The Vikings)が相手チームのカーディナルズ(The Cardinals)を破ったことを伝えています。
Suddenly, Favre conjured the kind of magic that simply hasn't been there all season, engineering another jaw dropping fourth-quarter come-back that may have not only saved the Viking’s season, but coach Brad Childress’ job as well.
今回取り上げる表現はjaw-droppingです。辞書を引いて調べてみると「《主に英》(驚きなどで)あっけにとられるような(▶下あごが下がり口をぽかんとあけた状態をさす)」と出ていました。この語の修飾先であるcome-backには「《略式》(人気の)回復, カムバック;(スポーツなどで)劣勢の挽回, 盛り返し」といった意味があるので,ここではFavreが「あっけにとられるような(素晴らしい)挽回」を見せたと言えそうです(『プログレッシブ英和辞典』小学館)。
jaw-droppingのような形容詞は他にもあり,例えばtear-jerkingがあげられます。涙(tear)を引っ張り出す(jerk)というイメージで「⦅略式⦆お涙ちょうだいの(物語劇映画など).」という意味があります(『プログレッシブ英和辞典』同上)。
今日の授業でも,言語によって「世界の切り取り方」が微妙に異なるということを学びました。あごが下がり驚きをあらわに表すjaw-droppingという表現も言語間で世界の切り取り方が異なることを示す良い一例かもしれません。(ゼミ生 camel)