常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

asylum

Lbow-Shoulderです。
先日面白い事件がありました。10月29日に香港発の旅客機に,アジア系の若者が年配の白人男性に変装して搭乗し,到着したカナダのバンクーバーの空港で身柄を拘束された後,亡命を求めていたことが明らかになった,という事件です。この事件についてJIJI PRESS(11月6日付け)に記事がありました。今回はそこから英語表現を拾っていきます。
Young man disguised as old man seeks Canada asylumA young Asian man in his early 20s disguised himself as an elderly Caucasian male, boarded an Air Canada flight from Hong Kong to Vancouver and sought asylum after being arrested upon arrival, the airline and media said Friday.
http://jen.jiji.com/jc/eng_afp?k=20101106025945a
今回注目するのはasylumという単語です。まずasylumの意味を辞書で引いてみると,「難民保護,非難,亡命」とあります(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)。文中の意味(seekが使われている点)から「亡命」が今回は当てはまるでしょう。「亡命」という意味の単語はexileがよく知られていると思います。では,exileとasylumに違いはあるのでしょうか。LDOCEによると,exileはa situation which you are forced to leave your country and live in another country, especially for political reasonsとあります。次にasylumはprotection given to someone by a government because they have escaped from fighting or political trouble in their own countryとあります。つまりexileは「追放」されて国外へ,asylumは「保護」を求めて国外へ亡命することがわかります。同じ亡命でも細かな意味の違いが今回わかりました。次は,b.m.さんです。(ゼミ生 Lbow-Shoulder)