常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

detoxification centre

Lbow-Shoulderです。
時事ドットコムJIJI Pressの記事には,メキシコ北西部ティフアナ近郊の薬物更生施設で24日に入所者13名が武装グループに殺害される事件がありました。今回注目したのが,事件の内容ではなく「更生施設」とは英語でなんというのか,というところです。「更生」と聞くとまずrehabilitationを思い出します。しかし,この記事のトップにはrehabilitationを使わない表現が使われていました。それが以下の表現です。
at a detoxification centre
http://jen.jiji.com/jc/eng_afp?p=025882_00&k=20101025025882a
デトックス」と聞くと日本でもよく聞く健康法のうちのひとつです。日本での「デトックス」は体内(脂肪)に蓄積された有害物質を取り除くことで,ダイエットの効果も促すというものです。そこで実際辞書を引いてみると,「(薬物・タバコ・アルコールの)依存治療」とあります(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)。今回の場合は「更生(依存から解毒)」という意味なので,辞書訳が当てはまります。また日本語のような「デトックス」の意味があるのかLDOCEでも調べてみると,to not eat solid food or only drink special liquids for a period of time, which is thought to remove harmful substances from your bodyとあります。日本でもサプリメントをなどの「デトックス」はありますが,岩盤浴やヨガでもデトックスを行っています。したがって,日本語とは少しgapを感じますね。
また時事ドットコムの記事は時に日英両方の訳が載っています。最近ゼミでも行っている通訳練習にもなるかと思いますので,今回の記事の冒頭を載せておきます。改めて訳出の難しさを感じます。次はb.m.さんです。(ゼミ生 Lbow-Shoulder)
ティフアナ(メキシコ)25日AFP=時事】メキシコ北西部ティフアナ近郊の薬物更生施設で24日、入所者13人が武装グループに射殺された。目撃者によれば、武装グループは13人を壁の前に並ばせ、処刑するように殺害。犯行動機は分かっていないが、麻薬組織間の抗争と関係があるとみられる。
http://www.jiji.com/jc/a?g=afp_cul&k=20101025025882a
Thirteen retirees were shot and killed in an execution-style massacre at a Mexican drug rehabilitation center near the border city of Tijuana, a police official told AFP.
The exact reason for the killing was not immediately known but it was apparently linked to a brutal drug war that has claimed thousands of Mexican lives this year.
http://jen.jiji.com/jc/eng_afp?k=20101025025882a