常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

imprimatur

本日発行されたDY(10/13/10付け)のTHE WASHINGTON POST OUTLOOKにあったYou’ve won the Nobel Peace Prize. I’m so sorry.という見出しの記事から英語表現を紹介したいと思います。記事は劉暁波(リウ・シアオポー)氏がノーベル平和賞を受賞したことは,新たな民主化運動の第一歩と捉えることができますが,逆に中国政府のプレッシャーは強めてしまう可能性も否定できないと伝えています。
While local activists often feel gratified by the Nobel committee’s attention and imprimatur, and sometimes subsequently ramp up their protests, that reaction is ill-advised. In the past, pressured and powerful states have clamped down even harder on domestic dissent in the wake of the Novel Peace Prize, rather than knuckle under to the Nobel committee.
今回注目する表現はimprimaturです。辞書を調べてみると「正式な承認,お墨付き」という意味がありました(『スーパーアンカー英和辞典』第4版,学研教育出版)。同辞書によると,この単語には別に「《カトリック》(協会による)出版[印刷]許可」という意味もあります。昔ローマ教会はカトリックのモラルや信仰の低下するような書物が出回らないように,出版に規制をかけていたそうです。
自分たちに不利になるような情報を制限し,一般市民の表現の自由を制限している点では中国ととても似ているような気がします。記者はこの類似点を意識してこのword choiceをしたのかもしれません。(ゼミ生 camel)