常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

bat one's eyes at (解説)

九州英語男先生からコメントを頂いておりますが,田邉先生のご指名質問にお答えします(http://d.hatena.ne.jp/A30/20100923/1285198167)。
質問は記事の見出し
Tezuka’s heroine bats her eyes at crime reporters
の中にあるbatの意味は何かというものです。普段batと言えば名詞として用いられ,野球道具の「バット」や動物の「コウモリ」を意味します。しかし,ここでのbatは名詞ではなく動詞として使われています。batの動詞形を辞書でみてみると「…をバットで打つ;打って(走者)を進ませる」の他に「1(目)をまばたきさせる 2(異性にまばたきして)色目を使う(at)」という意味がありました(『スーパーアンカー英和辞典』第4版,学研教育出版)。手塚治虫のヒロインがバットを振るというのは文脈上そぐわないので,後者の定義が適切であると考えられます。他の辞書を参照してみると用例の中に“bat one's eyes [eyelashes] at a man|男に色目を使う.”という文がありました(『プログレッシブ英和辞典』小学館)。
上述のことから,手塚治虫が描いたヒロインの女性が今も犯罪番記者をはげましていると解釈できます。(ゼミ生 camel)