常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

go from goat to hero(解説)

先生からご指名質問をして頂きましたが,その記事を書いている途中でしたので,書いた記事で解答とさせていただきます。
http://d.hatena.ne.jp/A30/20100919/1284863745
昨日に引き続きDY(19/09/10付)の野球の記事から英語表現を拾っていきます。
昨日,甲子園球場阪神タイガース読売ジャイアンツ伝統の一戦が行われました。白熱した投手戦の中,何とか1点をもぎ取ったのは阪神タイガース。その見出しには良くも悪くも得点に絡んだある選手の名がありました。以下はその見出し:
Hirano goes from goat to hero in Tiger’s win
今回の語彙は goatです。以前camel先輩がscapegoatを記事で採り上げていましたが,goatには「ヤギ」という意味以外にも,「悪人,愚か者(→sheep)」などがあります(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)。http://d.hatena.ne.jp/A30/20100705/1278333658
*それから何よりもこれはscapegoatのgoatです。(UG)
この試合,序盤で平野選手はバントを失敗し,せっかくの先制のチャンスを棒に振ってしまいました。しかし,最終回のジャイアンツの攻撃中,同点,さらには逆転のピンチで見せたダイビングキャッチはジャイアンツの反撃を食い止めるスーパープレーとなりました。この功績が見出しのgoat(愚か者)とhero(英雄)によく現れていますね。これらの背景や意味を踏まえて今回の見出しを試訳するとすれば,
「タイガースの勝利において,平野選手は(バントを失敗した)愚か者から(同点打を阻止した)英雄になった」
という意味が考えられます。(さらに,確認としてここでのgoは「〈人・物が〉…(の状態)になる」といった意味で使われています。)今回は平野選手の所属チームが阪神タイガース(tigers)ということもあり,goatという動物繋がりの表現が使われていました。
UG先生,ご指名質問を出して下さりありがとうございました。(ゼミ生 gacha)