常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

silent treatment

本日のDY(18/09/10)SPORTS欄には,16日に行われた大リーグの試合,ロサンゼルス・ドジャーズ対サンフランシスコ・ドジャーズの試合結果が載っていました。結果は2−10と大敗を喫したドジャーズですが,期待が持てる収穫もあったようです。
Russ Mitchell homered just fair inside the left-field foul pole for his first career hit leading off the fifth for Los Angeles. He had been 0-for-15.
“The silent treatment is over,” Mitchell said of his funk. “I was talking to it, hoping it would stay fair.”(前後省略)
まず,選手の紹介と記事の書かれた背景を説明します。Russ Mitchell選手は今年ドジャースに入団し,今月8日にメジャーデビューを果たした24歳の新鋭です。ノーヒットで迎えたジャイアンツ戦。待ちに待った初ヒットは本塁打となり,打点1のおまけまでついてきました。この状況を把握した上で上記の記事から表現を拾っていきます。
今回注目した表現はsilent treatmentです。silent treatmentを調べてみると「無言の抗議」という意味がありました(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)。しかし,この意味だとまだ良く分かりません。そこで,直後のhis funk(彼の尻ごみ状態)とRuss Mitchell選手の打撃不振を踏まえて,silent treatmentを連想,意訳してみると,
「無言の抗議」→「彼が静かに尻ごみしている状態」→「ヒットを打てずにベンチで黙り込んでいる状態」という意味に行きつきました。1文を試訳してみると「(結果が出ずに)くすぶっている状態は終わった」といったところでしょうか。
今回の様な直訳が当てはまらない場合,まだまだ全然想像力が足りないことを思い知らされます。読書などの活動を通して語彙力と想像力を身につけていきたいと思います。(ゼミ生 gacha)