常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

Persimmon柿生講座#1「Substance over style」

今大会のW杯はイタリア・フランスがグループリーグ敗退するという波乱続きです。その中でもブラジルは実力を十二分に発揮しています。その証左ともいう試合がベスト8を決めるチリ戦でした。結果はブラジルが3-0という圧倒的な差を見せつけた形となりましたが,THE DAILY YOMIURI(6/30/10付け)ではその試合にSubstance over styleという見出しがつけられました。
ジーニアス英和辞典』(第4版,大修館書店)では,substanceの意味として「物質,物」のほかに「実質,内容,中身」を紹介しています。LDOCEではimportanceやtruthという意味が載っています。またstyleには「⦅one's 〜で⦆性に合うこと[もの], 流儀, タイプ, 好み」(『プログレッシブ英和中辞典』小学館)という意味があります。よって直訳では「実力が見かけを超える」になるかと思います。これはどういう意味なのでしょうか。
ブラジル代表を率いるDunga監督は規律を重んじ,これまでの華やかなプレースタイルを改め,堅実なプレーをするチームを作り上げました。実際,Luis FabianoやRobinho,Kakaといったスター選手も個人技よりも組織プレーに徹しています。つまり,今大会のブラジル代表には観客を魅了する華やかなプレー(style)より(どんな形であろうとも)勝利すること(substance)が求められているのです。そして,今回の見出しはそれがしっかりと結果を残しているということを意味しています。(ゼミ生persimmon柿生)