常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

True Blueについて

田邉先生が紹介されていたJT on lineのTrue Blueについて。
http://d.hatena.ne.jp/A30/20100625/1277438429
もちろんこれは青いユニフォームを身にまとったサムライブルーが自分たちの矜恃を示したという意味ですが,少しばかり言葉遊びがあると思います。
辞書にはtrue blueで「(色あせしない)青色(染料)」とあります(『プログレッシブ英和中辞典』小学館)。これは言うまでもなく,色褪せていなかった日本代表のことです。さらにこれには「忠実な人」「忠節な」「頑として主語を守る」という意味もあります。17世紀ごろのスコットランドで王党の赤に対し,長老派があい色をイメージカラーとして用いていたことに由来します(『プログレッシブ英和中辞典』同上)。
今回SAMURAI JAPANこと日本代表が,岡田監督の指揮のもと,各人が忠実に仕事をこなしたこと,さらには岡田監督がさまざまな批判にも負けずに自分のサッカー哲学を貫いてチームを作ってきたこともかけてあると思います。またTrue Blueは/u:/という音で韻を踏んでいます。最後に蛇足ですが,私はなぜか,Cyndi Lauperの True Colorsというヒット曲も思い出しました。
試合でゴールを決めたときも試合後のインタビューでも本田選手はあまり嬉しそうでありませんでした。実際,彼はインタビューの中でも「思ったより嬉しくない」と公言しています。あくまで僕の印象ですが,彼が目指すものは他の日本代表選手とは違う次元にあるような気がしました。それを自分の英語に当てはめたとき,色々と心に思うことのあった今日の朝でした。(院生 小山本)
cf. http://d.hatena.ne.jp/A30/20100606/1275827136