常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

問いかけ#23「両頭のロシア?」に挑戦

群馬に実習日誌を届ける必要があったために遅れてしまいました。田邉祐司先生の問いかけ#23に挑戦したします。質問は以下の見出しの意味を答えよというものです。
Janus-faced Russia hiding its snarls from the West
Diplomats in many corners of the world are puzzled by what appears to be a fundamental shift in Russia’s foreign policies in recent months, from a strategy based on threat and intimidation to one of a low profile seeking friend ship, especially with Western countries.
まず最初に出てくるJanus-facedがどんな意味なのかが気になりましたので,辞書で調べると「1. 2つの顔をもった,2. 偽善的な,人を欺く」とありました(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)。Janus-facedのすぐ上にJanusという語もありました。その意味をしらべると「《ロ神》ヤヌス《頭の前と後ろに顔をもった門や戸口の神;Januaryはこの名に由来》」とありました。JanusからJanuaryという月が生まれたとは驚きです。
話しが逸れましたが,ここではロシアは2つの顔の外交政策があることを示しています。まさにヤヌスのような両頭というわけです。一つの顔は強硬派,もう一つの顔はlow-profileからもわかるように低姿勢の平和路線。強硬派ではないことを意識しているためにsnarlsを隠していると記事は述べています。snarlはうなるという動詞ですが,ここではうなる最中に見せる「キバ」であると解釈ができます。そう言えば,田邉先生が以前snarl-upという表現をブログで書かれていました(http://d.hatena.ne.jp/A30/20100502/1272754053)。
英文を精読してみると筆者がこの文章に込めた意図が少しずつ浮かび上がってきました。見出しから沢山の表現を学ばせてもらいました。田邉先生ありがとうございます。(ゼミ生 Cherry-well)