常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

ご指名質問#20「〜ビッチ」に挑戦

こんにちは,「なかおともビッチ」です(私はどちらかというとアメリカが好きなのですが)。ご指名質問#20「〜ビッチ」に挑戦します。
http://d.hatena.ne.jp/A30/20100619/1276907941
といってもロシア語あるいはポーランド語の辞書は手元にないので(第2外国語はフランス語でした),インターネットで調べてみると,世界各国の人名をまとめたサイトを発見しました。以下はそこからの引用です。

ロシア人の姓の起源
「姓の使用は,18世紀初頭のピョートル1世の時代以後で,姓を名乗ったのは,貴族・側近官僚・地主階級だけであった。そのご,19世紀初頭に,都市住民にも広まり,19世紀半ばには農民も使用するようになった。ロシア語には文法上の性として男性,中性,女性の三性があり,ロシア人の父称・姓は,ほとんどの場合,男性形・女性形の異なる語尾となる。女性は,結婚後はどちらの姓を名乗ってもよく,「夫の姓+妻の姓」という複合姓としてもよい。
 姓の語源は,接尾辞 -ov, -ev, -in, によって,名詞から派生した物主形容詞である。これは,中世の封建領主が,自分の領地に付けた名で「〜のもの」,「〜の領地」を意味していた(後には「〜の子」の意味にもなる)。多くの解放された農奴は,彼らの元所有者の個人名から姓を与えられた。その場合は「個人名+ -sky」という姓になる。ただし,ロシア人に -skii で終わる姓が多いということはなく,実際は,70%以上が,-ev,-ov,-in で終わる姓をもつ。」(「世界各国姓事情 人名力」)

よって「〜スキー」(-sky)は「〜の地所」,「〜ビッチ」(-vich,-vitz, -vych, -wicz, -witch, -witz)は「〜の子」を意味します。先生の直感通り,英語のMac-, Mc-と一緒ですね。そして「〜ノフ」ですが,これは正確には「〜オフ」(-ov)で,直前の音とassimilateした結果「ノフ」になります(例:Ivan→Ivanov)。意味は「〜のもの」です。(ゼミ生 なかおともの子)

【参考文献】
「世界各国姓事情 人名力」
http://blog.goo.ne.jp/jinmeiryoku/c/60219544ab05d215b63defdd7309aaf5/13