教職を目指す人のための「セーフティー教室」
教育実習2週目を終えたcamelです。先日,総合的学習の時間に,生徒が学校生活を安全で快適に送れるように指導する「セーフティー教室」が開かれました。今回のセーフティー教室のテーマは「携帯電話・インターネット犯罪の恐ろしさについて」。さて,みなさん,以下の用語を説明できますか?説明できないものがあった場合は続きをお読みください。
「学校裏サイト」
「プロフ・SNS(Social Networking System)」
「フィッシング・架空請求」
これらはすべて携帯電話やインターネットが普及したために出現し始めた問題です。中学生の時携帯電話を持っていなかった私にとっては,中学校でこのような教室を開くこと自体が驚きでした。やはり教育現場は社会の変化に伴って「変容」しているのですね。
まずは「学校裏サイト」です。これは生徒が好きな時間に好きな事を自由に書き込めるインターネット上の掲示板です。ただ,検索エンジンで学校名を検索しても表示されることは滅多にありません。「裏」と呼ばれるのもそのため。このために教師や保護者はその存在にも気づかないケースがほとんどのようです。万が一発見できたとしても,その掲示板に入場を制限するパスワードを設けられていることもあります。なぜ「学校裏サイト」が問題視されるかと言うと,その掲示板で匿名による誹謗や中傷が行われているためです。監視できる人は誰もいないので言葉の暴力は激化していきます。この手の不特定多数による攻撃により,不登校になってしまった生徒が大勢いるというのです。
次に「プロフ・SNS」と呼ばれる無料インターネットサービスです。プロフはプロフィールの略で,SNSはSocial Networking Serviceの略称です。両方とも簡単にアカウントを登録することができます。登録した後はプロフィールに個人情報を記入し,情報をインターネット上に公開します。公開した後は検索機能などを使いながら,インターネット上で友人を増やすことができます。好みや趣味の合う知人とメッセージ交換を楽しむことができるのが特徴です。さらにお互い直接顔を合わせるわけではないので,初対面の人同士でもスムーズな会話が可能なのです。即時的に世界中と繋がることができるインターネットの特性を活かしたサービスですが,一歩間違えると出会い形サイトのような悪質サイトになってしまいます。現にプロフを通じて知り合った男女が実際に会ったが,女は男に騙され犯罪に発展してしまったケースも発生しています。
最後に「フィッシング・架空請求」です。フィッシング(phishing)とはインターネット上から個人情報を不正に盗み,悪用する行為のこと。メールで金融機関に成り済まして暗証番号や個人情報を盗むケースが急増しています。これらは,大人だけではなく子どももターゲットになるのです。架空請求は利用してもいないのに,法外な請求書がメールに送られてくることです。出会い系サイトで自分の住所などの個人情報を見知らぬ人に教えたりしてしまうとメールだけでなく家にまでお金を請求しに来る場合があるようです。携帯電話にフィルタリングという機能をかけていない生徒もこのような犯罪に巻き込まれているというのです。
子ども達は何も知らないが故に,インターネットの世界で深い傷を負ったり,凶悪犯罪に巻き込まれたりします。生徒のためのセーフティー教室でしたが,自分自身とても勉強なりました。この授業を見て,改めて教育現場に「変容」が起きていると実感しました。(ゼミ生 camel)