常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

ご指名質問 #6に答えて A sound mind in a sound body

ご指名頂きありがとうございます。さっそく答えます。すみません。直球勝負で,ASICSのホームページを見てしまいました(「処理水準仮説」に反することをしました...)。
http://d.hatena.ne.jp/A30/20100608/1276003689
「アシックスは、1949年に創業者の故鬼塚喜八郎が、スポーツを通じて青少年を健全に育成することを願い、スポーツシューズの企業を神戸に創業したことに始まります(以前読んだ「読売」か「朝日」の夕刊だと,社員が話し合って決めたとも書いてありましたが...)。
紀元2世紀の初め、ローマの風刺作家ユベナリスが「もし神に祈るなら、健全な身体に健全な精神あれかし、と祈るべきだ」との名句を残しました。原典では「精神」は、「Mens」で表現されていますが、「躍動する精神」という、より能動的な意味をもつ「Anima」に置きかえ、“Anima Sana In Corpore Sano” としたということです。この言葉は英語でA Sound mind in a sound body.と「断定的に」訳され,日本の辞書でもこれを受けて「健全な肉体に健全な精神が宿る」と訳され,スポーツ教育の方で広められました。しかしながら,こうして語源をチェックしてみると,「健全な肉体に健全な精神あれかし」という「願望・祈願」なので,80年代のはじめあたりから,辞書の記述も全面的に書き換えられたと田邉先生がおっしゃっていましたね。いずれにしても,社名ひとつとっても勉強になります。(http://www.asics.co.jp/corp/envi/B)(Temple Gate)