常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

『モームの例文中心 英文法詳解』

05/30に田邉先生が「モームブーム再来か?」
http://d.hatena.ne.jp/A30/20100530/1275213663
とのタイトルで,行方先生の書評記事を紹介されていました。しかしながら,Somerset Maughamについては,私も含めて,現在の英語学習者にとっては「?」の人でした。「へえ,そんな人がいたの」というのが正直なところです。したがって先生のせっかくのご紹介にも無反応だったと思います。
そんな状況に業を煮やされたか,先生,本日は研究室で熱弁をふるわれ(「裏ゼミ」ではよくある現象!),次の本を紹介されました。世の中にはMaugham作品を愛し過ぎるあまり,その作品に表れた英文を例文として文法書をまとめられた「剛の方」がおられたのです。その人のが広島高師(現 広島大学)出身の故納谷友一(なやゆういち)先生でした。納谷先生については,先般の秋田の日本英語教育史学会で筑波大学名誉教授の島岡丘先生も熱弁をふるっておられました。なんでも「納谷教」と呼ばれるほど,数多くの学生,生徒を啓発されてきた方ということで,どっかの先生にも似ているのかしらんといった程度で聞いていましたが,今日の田邉先生のお話で改めて英語教育の「タテ糸」がつながった思いです。
ともあれ,田邉先生お奨めのOf Human Bondageか,短編のRainあたりから入ろうと思います。豊かな気持ちになった土曜日の午後の裏ゼミでした。(小山本,gaccha)
納谷友一・榎本常彌(1970).『モームの例文中心 英文法詳解』日栄社.

       『モームの例文中心 英文法詳解』の表紙

           はしがき(下線部に注目)

       再帰目的語の項目(訳からも学ぶことができます)

  モームの引用作品一覧(○のついたものが田邉先生が読まれたもの)

             モームの写真

            モームの経歴について

         筆者について(田邉先生のメモにも注目)