常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

指名質問#1への解答です

ご指名を受け,嬉しい限りです。
http://d.hatena.ne.jp/A30/20100602/1275473466
これはあのKarl Marxの「共産党宣言」(Manifesto of the Communist Party)の冒頭の有名な表現をもじった文ではないでしょうか。本文は:
A spectre is haunting Europe - the spectre of Communism.
「妖怪がヨーロッパを動き回っている、—共産主義という妖怪が。」
妖怪はspectre(英綴り)で,「徘徊」はhauntingになっていることが勉強になります。確か幽霊屋敷,お化け屋敷はhaunted houseだったと思います。この表現はここから転じて,何かよくないことが広まっているというニュアンスで英語の中でも広く使われていることもよくわかりました。例えばネットには;
A Specter is Haunting Television Studies
Jeffrey Sconce / Northwestern University

http://flowtv.org/2008/10/a-specter-is-haunting-television-studies-jeffrey-sconce-northwestern-university/
などと用いられているのです。「素粒子」子も,そのあたりの当たり前の知識を読者に要求しているわけですね。実現できもしない「マニフェスト」が足下をすくった形となったという皮肉もちらっと隠されているような気もします。もっとがんばらねば。アメリカにまいりましたら,先着のS-Okaくんと同じように毎月,きっちりと英文レポートを送ります。さらに現地でしか入手できないような表現,俗語などを週に2〜3回,必ずブログに送付します。そういう形で自分は強くなってきます。残り少ないゼミ生活ですが,よろしくお願いします。(長崎の星 Kuwata)