常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

speak the same language

本日(5/21/10)の「日刊スポーツ新聞」には目を引かれました。サッカー元日本代表 中田英寿氏と現日本代表 本田圭祐氏の対談の一部が掲載されていたのです。両氏の対談は,6月6日(日)の午後7時からテレビ朝日系「2010FIFAワールドカップ開幕直前SP」で放送されます。

同局の関係者は次のようにコメントしています。「収録前は何が起こるか,どんな化学反応が起こるか,かなり張り詰めた雰囲気でしたが,実際始めると世界で戦ってきた2人が意気投合し,サッカー,技術論を熱く語り合う光景は圧巻です」
今回,スポットライトを当てる日本語は「化学反応」,「張り詰めた」,「意気投合」の3つの表現です。どれも日本語ではよく使う表現ですが,英語では何と言うのでしょうか。  
まず,「化学反応」についてみていきましょう。化学反応と聞くとchemical reactionを思い浮かべますよね。そのまま,chemistryに目を移してみると,「(特に異性間の)相性,つながり;人[集団]の体質,持ち味」という意味がある事に気付きます(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)。以前,田邉祐司先生が教えて下さった例文にMy chemistry with her is good.というのがあり,「彼女との相性は良い」という意味になります。この様に,chemistryは物質のみならず,人間関係を表現する時にも使えるのですね(「herって誰だ?!」— by 柿生persimmon)。
次に,「張りつめた」ですが,これはどうでしょう。『スーパー・アンカー和英辞典』(第2版,学習研究社)で調べてみると,それに当たる単語としてtense,strainedがありました。またtenseを『ジーニアス英和辞典』(第4版,大修館書店)で引いてみても,の用例にtense atmosphere「緊張した雰囲気」があり,張りつめた空気を表すことが出来ますね。
最後は「意気投合」ですが,まず,田邉先生から教えて頂いたのはspeak the same languageという表現です。これを辞書で引いてみると,「お互いに理解し合っている;同じ考え〔趣味〕を持っている」とありました。二人は「サッカー」という「共通言語」を通して,on the same wavelengthを感じ合ったのでしょう。
新聞に限らず,身の回りにあるものは全て学習教材です。気になったら調べるという癖はまさに常時英心。英語力と日本語力の双方を磨いていきたいです。(by gacha)